男と同棲を始めた話

この3ヶ月くらいでいろいろなことが起こりました。
コロナ騒動で世界が一変しましたが、皆さんの生活はどう変わったでしょうか。
在宅勤務になった。飲み会がなくなった。運動しづらくなった。などなど
私もそんな感じになってきましたが、個人的にコロナより影響の強いエピソードが3つ起こりました。一つ一つ長いので興味あるところだけ読んでください。以下の3つです。
①国立がん研究センターから東京大学病院に移りました。
②株式会社を作りました
③男と同居を始めました
最もニュースバリューがあるのは③かなと思いタイトルにしました。

①国立がん研究センターから東京大学病院に移りました。
3年間いたがんセンターから東京大学病院に転勤になりました。
がんセンターではみんなが忙しいこともあり最初は初心者に冷たいとか、あと無駄なマウンティング(東京で立派な施設で働いてて能力もあるのに意外に自分にちゃんとした自信がない人もいるもんだなって気付きました。そういう人は相対的な評価でしか自分を評価できずに人の足を引っ張ることで自信を得るので全体的なパフォーマンスが下がる)みたいなこともあって苦労しましたが特に2年目以降から人も入れ替わり、色々学べることも増えてきて環境もかなり協力的な雰囲気も醸成され、いい感じになりました。先端的な医療を学べたというのも大きかったですし、やはり東京というところで患者さん達や医療者達の人間の幅を近くで見れたことは日本を味わうという意味でもよかったかなと思います。多様な人間の生態系の中にある組織の役割をみていると、個を繋ぐ意味を感じさせられます。コロナ後の組織づくりでは「自信と自由と協調」を達成したいねという話です。ちなみにがんセンターでは私が初心者向けに色々な仕事のやり方を書き記したノートがある(燃やされてなければ)ので、これから勤める方はそれを参照してもらえればすっと業務ができるようになると思います。そういう情報もすぐに古くなっちゃうんですけどね。憲法の話じゃないですけど「自信と自由と協調」というのも不断の努力でしか達成できないだろうけど頑張るんじゃなくて自然とそうなっていく仕組み作りは考えていきたいです。偉そうなことを宣ってしまいましたが、東京大学に最初に行った時にした仕事は「職場の掃除」でした。(充電器やPC周りのコードが蛸足回線でかつ複雑に入り組んでいた上にほこりまみれになっていたのを治したら職場の方に褒めて頂きました。地震が起きても東京大学病院が火事になっていなかったら私の功績もあると思います)(余談ですが、がんセンターでも入職したばかりの私がしたのはやはり掃除でした。地下でコホコホしているのにやる対策が「マスクをつける」というしょうもない対策を朝礼で言っている始末でしたので不要な書籍や機材を整理して空気清浄機を自費で買いました。その後は職場も少しずつ意識が変わり、かなり清潔な空間になっています。)

②株式会社を作りました
「ヘルスリテラシー株式会社」を作りました。医療の話というのは個人にとってすごく大事なのに、みんなどうすれば健康でいられるかというのを意外によくわかっていない現状をどうにかしたいと思って作った会社です。医師というのは自分の専門分野には詳しいものの時間軸も含めた全人的マネジメントが苦手なものが多いです。発言力がある先生方の仰ることも「ジャンプで尿管結石を予防」「コーヒーでがん予防」「よく笑うことが健康の秘訣」とかしょうもないことが多いです。そうではなくていわば「医療の教科書」と呼べるようなエビデンスベースで「減量」「減塩」「油の質を選ぶ」「糖の摂取スピードを下げる」「ワクチン」「検診」など簡単で覚えやすく誰にでもできて学習しやすい総合的なメソッドを確立することをこの会社の目標としています。実はこういった医療の正しい知識が普及することは今の若い世代や将来の子供たちのためになると思っています。医療財政が厳しくなればなるほど、その厳しさを負担するのは医療を受ける側の高齢者ではなく医療財政を支える側の若い世代や子供たちだからです。私が高額ながん治療を患者さんにする際は毎回、心が痛みます。「目の前の人は助かるんだけど、目の前にいない人たちに負担をかけてしまったな」と。多くの病気や、例えがんであっても半分は予防できます。予防できた分だけその人や家族にとってハッピーでもあるんですが今の若い世代や未来の子供たちにもその恩恵はあるはずです。自分が死ぬ前に未来を生きていく人たちに残せる仕事がしたいなと。その気持ちを込めて作った会社です。

今はYouTubeで配信していますが、最終的には義務教育の一分野に「医療」を入れるときの教科書のベースにしたいという思いがあります。ちなみに今、YouTubeで苦戦をしていてたった1人の社員から「もっとふざけた感じで気軽に動画をみられる感じにして欲しい」と言われていて、視聴回数を稼ぐのに尤もな主張なのですが自分は今までに不可抗力であったとしても何人も患者さんを亡くしていること、がんを扱う以上これからもそういった患者さんに会うことになるからふざけたことをしている医師に診られるのは嫌だろうし一緒に働く人たちにとっても(苦情や訴訟の原因になるので)迷惑でしかないからとその主張は退けています。そのせいで彼の周囲の芸能関係者たちから彼に(あんなもん面白くないなど)と言われているようで心苦しいのですが、それでもちゃんとついてきてくれていて感謝しています。断片的な消費されるための動画ではなく一つのまとまったストーリーという蓄積の面白さを出せる動画を完成させたいと思っています。そのために美しさが大事だと説いているんですが、毎回料理する度にキッチンを汚しまくるので説得力がなくてなかなか響きません。誰か助けてください。

③男と同居を始めました
女性と同棲もしたことないのに男と同居することになりました。はじめに断っておきますが私は女性が好きです。昔から男女平等主義でもありLGBT推進派でもあるのですが、ゲイの方に勘違いされてしまったこともあるので先に言って置きます。ゲイの方の悪いところは男性に優しさや理解を示すと自身の愛を受け止められる対象と思ってしまうところです。ちなみに女性の悪いところは女性ファーストを喜ぶところです。みんな平等の感覚を普通に持って欲しいところです。このままだとフェアじゃないので私の悪いところも申し上げると女性が好きなのにモテないところです。以上。

さて男と同居を始めて3ヶ月くらいになります。その男は前述の社員です。小学校からの幼なじみで昔は同じマンションに住んでいました。広い意味で同居は2回目になります。自分の会社に入社してもらうにあたり最初は利益が出るまで給料を出さないつもりだったので家を提供する意味とあと自分が東大病院の仕事があるので働き方が不規則になるので一緒に働けるようにという2つの意味がありました。前者は彼がもう一つの会社の運営をしていると聞いていたけど、実入りもなくまさかの社会保険一式も丸々無いということだったので少なくとも社会保険には入れるようにと給料も出すようにしました。芸能関連の仕事をしていたということもあり、すごい生活が不規則で、同じ32才ですが結構基礎疾患とか抱えていそうですが健康診断すら受けていなかったようで彼に人間ドックを受けさせようと思っています。私が思っていた以上に彼は身体的にヤバイ。でも彼に言わせると私の方がいろいろ独り言が激しくて精神的にヤバイらしいです(こないだずっと「なんて綺麗なんだ」「美しすぎるわ」「すごいな君は」とサバに向かって言ってたらしいです)。YouTubeで体重の減量が大事と何度も言っているのですが彼に伝わらないところを見ると彼を観察するだけで健康へのヒントが見えてきます。

実際の生活ですが、まあ楽しいです。(女性だとしても)人と住めるか若干不安があった私ですが、彼の気遣いも多分にあるとは思いますが、結構うまくやっていますし、一緒に住んでよかったです。私の不用意な言葉でキレさせてしまうこともあるのですが、意図を伝えることも近くにいるので出来て(昔から知っているというのもあって)理解も示してくれるし、私の汚した後のキッチンを綺麗にしてくれます。何より私が作った料理を「美味しい」と言って食べてくれます。結構これが大きい。もちろん味付けに対して変な気遣いなくいろいろ話せるのも楽しいのですが何より「いい料理だった」と言って食べてくれるのはかなり精神的に嬉しい。しかも自分のこだわりですごい変な時間になったりするんですがそのことに文句も言わず食べてくれる。何を出しても大体納豆をぶっかけるのは気に食わないですがそれでも嬉しい。これをみている人に言いたいですが、料理を有り難く頂くっていうのは夫婦円満の最大の秘訣かもしれない。私も彼が作ってくれた料理にいつも何かケチつけているようですが有り難く頂いてます。TOPの写真は大根とか人参を薄くスライスして巻いてみたら思いの他美味かったなっていうもので、下の写真はやっぱ日本人は魚が良いねってことでブリ(いなだ)大根です。魚をさばくのが楽しくなってきたので同居人に刺身などが無事に食べられるか実験台になってもらう予定です。本当に感謝です。

それでは。