海外について(1)

M.U.より

海外はふらっと1人で行く機会があったのでここに記します。後輩達の参考になればと思います。海外に行くんだという気負いよりも、日本にはない魅力を持った国が多くあるのだなという感じで是非その都市の良さを味わってみて下さい。

順位:10位
場所:ワシントン(アメリカ)
行った方法:クリーブランド留学のついでに高速バスでふらっと。
かかった費用:バス代の1000円(宿泊はNIHの先輩のゲストルーム)

コメント:アメリカは国内間でも飛行機で移動するのは有名だが、意外と高速バスが発達していて、しかも破格の安さ。そうしてバスで行ったわけだがさすがアメリカの首都とあって見るべきものが多い印象。先輩にNIHの中を見せてもらえたのはなかなか興味深かったのと、ゲストルームでも一泊一万は超える(もちろん先輩に出して頂いた)し、広いガーデンでバーベキューしたりというリッチな感じの研究ライフに少しだけ浸ることができた。また博物館などの公共施設の豊富さと奥深さは世界一といっても過言ではないだろう
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順位:9位
場所:ドバイ(U.A.E)
行った方法:エジプトに行く途中のトランジット
かかった費用:ただのトランジットなので飛行機代なし。大体2〜3万

コメント:世界的に成功している商業都市として名高いドバイであるが、これだけ豪華絢爛なものが作られているのにも関わらず、俺に金がないという事実もあってか、どこか虚無感を感じてしまった。その商業施設群もさることながら、世界一の高さを誇るバージュハリファの頂上からの景色はまさに神の視点ともいうべき壮大さと儚さを感じることが出来る。もともとカメラ初心者であったがここにて美しい写真だけではなく、中身を伴う写真を取ろうと思うようになった旅の良きスタートとなった都市。

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順位:8位
場所:ガラパゴス(エクアドル)
行った方法:ペルー行ったついでに飛行機でぴゅーんと。
かかった費用:10万くらい

コメント:NHKの「ダーヴィンが来た!」という番組が好きだったので一度は来てみたかった場所。生物の種の独自性を守るために、島に入るのも入所審査が必要で島間の移動も荷物に植物の種などが入ってないかチェックされる。だけど、島間移動はお金をケチると小型フェリーでくっそ飛ばすので、慣れてないと船酔いしてしまい、俺は2時間前食べたフルーツサラダを海にぶちまけてしまった。そんな俺をフェリーの中で看病してくれたり、酔わないためのアドバイスを色々してくれた綺麗なアメリカ人がその10分後、同じように海にぶちまけたのは笑ってしまった。かなり種の交配が進んでるのではないだろうか(申し訳ない)。途中、生物学者の方と一緒になり色々説明してもらえて楽しい滞在となった。

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順位:7位
場所:ボストン&ニューヨーク(アメリカ)
行った方法:クリーブランド留学のついでに高速バスで。
かかった費用:10万くらい

コメント:留学の時に往復航空券をクリーブランド⇔日本ではなくニューヨーク⇔日本とすると格段に安くなったので、その浮いた分で5つ星ホテルに泊まってみたり、ブロードウェイやジャズ、メジャーリーグなど多くの代表的娯楽に留学にかこつけて身を投じてしまった。都市の最高峰とも呼べるニューヨークに対し、知性の最高峰とも呼べるボストンにもお決まりの高速バスで行ってきました。自分の親父がここで働いていたということもあり、親の歴史を辿るちょっと感慨深い滞在となった。

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順位:6位
場所:イタリア・モナコ・バチカン
行った方法:エジプトから陸路でぐるーんと鉄道を使いながら
かかった費用:10万円くらい

コメント:宗教・芸術・富がこんなにもそばにあり、それぞれがお互いを補完しあってるのではないかとさえ感じてしまう人間性に触れる滞在となった。モナコではイタリアで買ったスーツに身を包み、世界的に有名なカジノに出かけた。そこでこつこつルーレットで積み上げた10万円ぐらいを賭けて、富豪に挑んだ時は、緊張感に呑まれてしまい、話しかけてくるディーラーの言葉がよくわからず、つい「英語で話してくれ」と言った時に「英語で話してるぞ」と返されたのは良い思い出。

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順位:5位
場所:イスラエル
行った方法:エジプトから近くまでバス、あとは徒歩でin
かかった費用:5万くらい

コメント:キリスト教・ユダヤ教・イスラム教の3つの聖地がイスラエルのエルサレムという土地にあり、3つの宗教が共存している。共存しているというよりは、お互いが主張し合っているという方が正しいかもしれない。イスラム系の宿に泊まるとイスラエルは私たちの土地だと書いてあったり、バスで隣になったムスリムがイスラエルは誰の土地だと思う?みたいな議論をふっかけてきたりする。そのムスリムが教えてくれるはずの死海リゾート地でムスリムが綺麗にそのことを忘れてそこで下りれず、急遽バスを下りて、ヒッチハイクするはめになった。それらの理由により、下の3枚は左からユダヤ教の聖地・キリスト教の聖地、死海泥パックの俺というチョイスにした。なお死海泥パック後はしばらくの間、お肌がスベスベになった。

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順位:4位
場所:マチュピチュ/カニョン・デル・コルカ(ペルー)
行った方法:飛行機で。あとは高速バス。
かかった費用:往復飛行機合わせて30万ぐらい

コメント:雄大な自然の中に確かな文化を築きあげていった人間の生命活動に心が打たれる。ちなみにマチュピチュ遺跡のレストランはバカ高く設定してあり、確か昼飯だけでも3000円は飛ぶ気がする。現在生きる者も逞しい生命活動だった。ツアー客が帰ったあとペルーで知り合った日本人3人でもう一度マチュピチュ遺跡に入り、色々はしゃいでたら遺跡の一部がぽろっと逝ってしまったことはこれからも秘密。ペルー人はとても親切で懐っこく、ふらっと入ったフルーツ店では日本語を教える代わりに、様々なパッションフルーツの食べ比べなどさせてくれたりと、偉大さと馴染みやすさを感じる滞在となった。 カニョン・デル・コルカのコンドルはiPadの壁紙に、アルパカはブログの自己紹介に使い続けた。

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順位:3位
場所:ルクソール&ダハブ(エジプト)
行った方法:カイロまで飛行機、その後鉄道とバス
かかった費用:往復飛行機合わせて20万くらい

コメント:カイロからアスワンに行く途中、鉄道トラブルで目的地に行けず現地のエジプト人シェフと知り合うことが出来、その人お薦めのルクソールのレストランで、めっちゃうまいエジプト料理を堪能することからスタート。紹介してもらったルクソールの宿も快適で、格安で気球に乗せてもらったり、 伝統的なヨット(フルーカ )に乗せてもらったりと親切な出会いに恵まれた。気球からの朝日が出ずる王家の谷の眺めは見る者を恍惚とさせる。フルーカを並べるナイル川に沈む夕日もまた美しい。その後、これもたまたまトラブルで寄ることになったダハブでは世界で最も美しい紅海でのスキューバを何度も楽しみ、モーセの十戒でも有名なシナイ山に夜間から登山を始めた。小さな太陽のように地を明るく照らす満月と共に歩みを進め、疲れた者を誘惑するラクダに背を向けながら歩み続ける。頂上に到達し、シナイ山を照らす朝焼けが表れたときのあの神々しい光は一生忘れられないことだろう。

記憶を3枚で表現すると

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順位:2位
場所:インド
行った方法:飛行機、移動は鉄道
かかった費用:20万くらい

コメント:

中学校のサッカーカナダ遠征以来の初の海外で、初の1人旅となった国。「地球の歩き方」すら何かも知らず、トランジットが何かもよくわからず、中国でインド人に助けられながらインドまで到着した。インドは人口が多く、駅では大勢の人が密集しながら座ってるところに、綺麗な日本人の女性が1人佇んでいるなと思って話しかけて仲良くなったと思ったら、大学の先輩の彼女さんだったことはいまでもトラウマ。誓って下心はなかった。

ガンジスでは主婦の洗い物や、子供たちの遊び場、夜の荘厳な儀式等、人々の日常をすべて受けいれる大河の様は、遠藤周作の「深い河」、宇多田ヒカルの「Deep River」によく表現されている。

鉄道内でたまたま知り合った南アフリカ人に紹介してもらった宿は一日10円ぐらいで泊まれたり、タージマハルの観光ツアーに格安で行けたり(しかも一緒に参加した高校生がめちゃくちゃ面白くて、大学3年生ながらはしゃぎまくった)と、一見普通だったが、実際はかなり現地人向けで、帰りには、ヒンドゥー教の迷宮に行き(お前は日本人ということがわかってるからバスの中で待ってても良いと言われたわけだが、興味本位で行った)皆で洗礼を受けたり、女性達が1人に神父に奉仕する様はまさにカルチャーショックであった。ちなみにガンジスでも現地のインド人と友人になり、ヒンドゥー教の人しかいけない所に行って、そこでも俺は軽くヒンドゥー教徒になったのだが、それとは違う異様な雰囲気を感じた。またツアーは現地人向けであってバス停に着いたのは夜2時くらい。宿も現地人向けの奥まった場所にあったので、道に野犬達がたむろっている中(俺は狂犬病のワクチンを受けてなかった)宿まで帰る間は、頭の中で襲って来た野犬と戦うシナリオや、咬まれた後のシナリオなど何度もシミュレーションした。

その後ジャイプルだったけな、知り合ったインド人に歓待され、家で宝石の運び屋をやってほしいともちかけられた。しかも報告されてるような、運び屋をやってほしいからまず宝石を購入してくれとかいうものでもなかった。ただ保証として、パスポートの写しとクレジットカードの写しを渡せということであった。当時そんなんで俺から金が引き出せるのかと思ったが、なんとかここは切り抜けようとこの時だけは英語力が飛躍的に向上した気がする。無事切り抜けられた。

旅の途中、知り合って夕飯を御馳走になった日本人の人に「地球の歩き方」を持たずに初めての一人旅なんてバカなの?死ぬ気なの?と言われ、「地球の歩き方」をもらった。なるほど、多くの役立つ情報が書いてあり、これだけあればうまく旅が出来たかもしれない。ただ、そこに書かれて日本人は立ち入り禁止されている場所にも、知り合ったインド人の手引きで入ることが出来たり、本にはないが自分は知っている役立つ情報もあったりで、やはり自分で試してみるというのも大切な要素だなと思った初の1人旅となった。

記憶を3枚で表現すると:ちょっと手元に写真がない・・・。

順位:1位
場所:メテオラ(ギリシャ)
行った方法:ギリシャ国内へはフェリーで、その後は鉄道で
かかった費用:2〜3万

コメント:地中海を廻っている途中、神話の生まれる国、ギリシャに寄った。右上の写真は医神アスクレピオンであるが、アスクレピオンの聖域であり、かの有名な医師ヒポクラテスが創設した治療院があるコス島に行こうと思ったが、ふと一緒に泊まった宿泊客に聞いてこっちに行こうと思ったというきまぐれでよったメテオラ。メテオラはギリシア正教の聖地でその意味は「中空の」を意味するように、どのようにして建てたのだろうかと訝しむぐらい急峻な崖の上に寺院がある。普通の観光地とは違う、落ち着いた雰囲気を持ち、街全体が「誠実さ」を醸し出している。会釈一つにすら「伝統」を感じさせる神父の振る舞いに感銘を受けた。「大学生の本棚」に上梓した「ひのきの傀儡と4本の糸」の表紙はこの街の風景を撮影したものである。

記憶を3枚で表現すると:
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最後に

ここまで読んで頂いて有り難うございました。どうでしょうか、意外にお金がなくてもいけるものだと思ってもらえたのではないでしょうか笑 それとも、まだまだ面白い場所があるのではないかと思われたでしょうか。このページでは俺だけでなく、同じ学年のいわば海外へのプロフェッショナルに近い友人達にも執筆をお願いしています。海外旅行は時に「自分探し」などとも表現されますが、それではあまりにも勿体ないです。孤独の中で自分を見つめ直すのではなく、純粋にその土地の持つ魅力を引き出して味わって下さい。きっと生きるという行為が楽しいのだと思ってもらえるとおもいます。