快適な医局ライフ〜日本一の飯〜

半年ぐらい前になります。
今勤めているとこの院長とこんなやりとりをしました。

「院長、僕はこの病院を辞めようと思います。」
「うん?なんで?」
「飯がマズいからです。」
「は?」
「飯がマズイからです。」
「何か言いたいの?」
「炊飯器を一台買ってください。」
「わかった。」

ということで院長のポケットマネーで買って頂きました。

20160127-____________

田舎の病院にいる方々は共感して頂けると思うのですが、田舎の病院食堂は美味しくないです。都会でも別に美味しい食堂を持つ病院を見た覚えはないですが、田舎は素材が良くてうまく調理しなくてもうまいんじゃないかと勝手に期待したりする分ショックが大きいです。

もちろん、外に行けばそこそこ美味しい食事があったりするんですが、いかんせん時間がかかります。病院食堂でまずい飯を待つ時間より短く感じますが、実際は結構長いです。

レジデントなるものこれではいけません。勉強が楽しい時期でもあります。飯を手短に済ませて、本業に勤しみたい。とはいえ手短な飯にも幸せを感じたい。飯は人生の喜びの大きな一つ。燃料補給をしているわけではないのだ。

ここでの答えが「医局食堂」でした。要は「ご飯」です。「炊きたてのご飯」です。米も特A銘柄を用います。一流の炊きたての米を食す。この喜びを毎日の昼に感じたい。日本中の全てのレジデントが忘れているこの喜びをここでは嚙みしめることができる。これは大きな一歩です。

ご飯と言えばカレーです。カレーは美味しい。毎日の昼はカレーで良いんです。ただ、毎日カレーを作るわけにはいかない。それでは時間がかかってしまいます。そこでの答えがこれです。
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レトルト。早い。お湯で温めてれば良いし、現代では袋のままレンジで1分だったりする。テクノロジーはすごい。途中で医局の皆に買った用のものを食べてたんですが、毎日の食事なものなので色々と手を出すことに。とりあえず47都道府県のカレーを食ってどういうカレーがいいかなぁと研究してみました。とりあえず上位3個。

1位 神戸ワインビーフカレー(神戸)
トロトロでジューシーなワインビーフと深み・辛味が絶妙な塩梅のカレーの絶妙なマリアージュを垣間見ることができる逸品。

2位 チキンマッカーニカレー(福岡)
バターチキンの濃厚さとトマトの爽やかさが非常に良くマッチした一品。値段 も合わせて星5つ。

3位 チキンカリー(岩手)
手羽先がまるまる一本入っていてジューシーで柔らかい。チキンカレーの基本 をレトルトに垣間見た。

これより以下は47都道府県カレーを参照。自分で評価してみました。ざっと見るだけでもよだれが出てきますね。そして毎日食べてるとやっぱり自分で作りたくなります。例えば

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バターチキンカレー。カレーを日曜に作ってその週のカレーを作り置きするようになったんですが、その保存方法が作ってすぐ冷蔵庫の手法(冷凍が良いってネットには多いけどやっぱり味が落ちる。)なので色々作ってるところだけど一番不安だったのはこれ。生クリーム入れてるけど大丈夫かなあと思ってましたが5日目でもマイルドで絶品のままだった。(匂いもOK)

米も地味に研究中。例えば北海道には
ゆめぴりか
ふっくりんこ
ななつぼし
の3つの特A銘柄品種がありますが「ゆめぴりか」は北海道の銘品と呼べます。感動した。「ななつぼし」北海道民が最も消費する品種だと言って期待しましたが、パサパサした小粒のような感じがして特A銘柄の意義に懐疑的になってしまいました(北海道の方は申し訳ない。美味しいななつぼしがあったら教えてください)

昨年度から特A銘柄になった青森の
青天の霹靂
も初の特A銘柄認定に話題になり値段も高騰しましたが今年度は暴落するものと予想します。冷えてももちもちしてても美味しいんだけどね。ちょっと高すぎる印象はありました。

秋田の
あきたこまち
や山形の
つや姫
なんかも安定して美味しいお米だし、その県を表すような特徴を持つようなお米です。

来週からは
魚沼産コシヒカリ
になるので楽しみにしています。短い間でも幸せになる時間があるっていいですね。

こういうことを考えるだけでも日々の楽しみが増えます。良い医師ライフです。

ちなみにご飯は炊く時間がかかることが時にネックになります。でもそれも大丈夫。ぬかりなく医局に導入しました(医局費で)。
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バルミューダのスチームオーブントースター
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素晴らしい。家のヘルシオでもスチームで焼けるんですが、これだと3分でサックリふっくら焼いてくれます。チャチャっと食べてしまいたい場合はこちらを使います。病院に出入りしている手作りのパン屋さんにちょうど良い厚みに切ってもらって毎週届けて頂いてます。これに
カルピスバター
を乗せて焼くと絶品になります。ブルーベリーソースなんかを使うのも良し。お試しあれ。

田舎の病院はこういう融通が利くのが良い点です。よく田舎の病院が医師を集めるための対策として給料を上げたり、実力を身につける研修をアピールすることに終始したりしますが、もちろんそれも大事ではあるんですが、そこに居着くかどうかだったり、そこにいる医師が本心で「良い病院だよ」と言える方がもっと大事なはずです。目先のことばかりではなく職場のQOLを地道に上げていく施策を講じていくこと(大抵それは大した額にならない)が、医師にとっても、ひいては患者さんのためにも、また、医療を支える保険料を払っている健康な僕らにとっても良い投資になると思います。やっていないところはこれからでも遅くはないと思います。みんなにとっての好循環ができればと思います。この時期はマッチングがありますがそういうものも見ていってはいかがでしょうか。ではでは。