医局への入局について

ここでは医学生の進路について以前、自分のブログで書いていたことを再喝しようとおもいます。以前お世話になった川原尚行先生が(自分が更新してきた300記事中)唯一「いいね」を押してくれた記事(笑)でもありますので、自分の私見ながら、一部は真実も含まれてるかとおもいます。医学部生は是非参考にされてみて下さい。

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御無沙汰しております。

マッチング(病院就職試験)が各地で始まっていますね。

自分も申し込みをしていますが、そういったものの履歴書を書く欄の一つに「将来の展望は」とある場合があります。

そういうところには、〇〇科医としてよろしければ貴院に末永く勤めたく存じますキラキラリーン☆とか書けば良いのかもしれませんが

せっかくの良い機会なので自分も含め多くの医学生が視野に入れている大学医局の入局について考察してみます。

以下は、正しい事というより、一学生の医局への理解として、学生の方には話のネタに、先生方には学生の勧誘の参考として頂ければと思います。

まず、医師免許を獲得した医者の道(開業を除く)として

0 初期研修 2年(大学or市中病院)
0’ 後期研修 3年(大学or市中病院)

①大学医局への入局
②病院への就職
③製薬会社・コンサル会社などの医療サービス会社への入社
④厚生労働省やその他省庁の官僚

がほとんどと思います。

このうち①②を選ぶ人が大勢であり、①を選ぶ人が優勢というのが今の状況でしょうし、いま仮に自分に弟や妹がいれば①を薦めると思います。

その理由は最もリスクが少ないから。

医局は教授をTOPとした窮屈で恐ろしいヒエラルキー構造とよくメディアに取り上げられますが、学生側からみると一種の互助団体のように見えます。

多くの関連病院への就職斡旋や、体調不良その他の理由による勤務先交代、研究補助(留学含む)などなど

医師として、末永く技術・学識・地位を高めて能力を発揮していくのに最も適した場所かとも思えます。

また、開業する際にも、医局で培った医師同士の繋がりが運営を支えていくことは想像に難くありません。

だから、普通に医局に入る人が多いのだと思います。

ただそれでも医局を避ける人が一定数いることは以下の義務が出て来るからかと思います。

a.臨床業務以外の仕事が多い(はっきりとした原因はわかりませんが忙殺された表情の方が多い)
b.金銭的負担が大きい(大学病院の給料は一般的に低く、関連病院でも医局運営の負担を求められる)
c.就職先が限定される(望まなくても関連病院で勤めなければならない)

abcを避けるために、特に研究や地位を不要とする場合は②の選択肢があります。

特に②が増えて医局の入局者数が減ってきたのは2004年度より厚生労働省の主導により義務化されたスーパーローテート方式の初期研修によるものと言われます。

これで卒業前に決めることが多かった入局を市中病院を経験してから決める人が多数になり、その結果②を選ぶことも多くなったのではないかと思います。

初期研修を終えて、後期研修を済ませて専門医として②の道へ。

とても自由で良さげに見えますが、やはりここ10年で開けてきた道であり、勉強も独力でしていかなければいけないことをかんがえるとリスキーに見えます。

ただまず入局して医師として育ってから退局して②になるとリスクが減ります
(退局すると人事における重要なポストを放棄して枠を増やすことになるのと、医局にとっては外部につてが出来るようになるのでよほど人員が足りない場合を除きそんなに気まずい雰囲気が流れるようにも思いません。)

これからの傾向としてある程度までは①が減り②が増えて行く、つまり①の持つ関連病院の数、規模が縮小して②の働く場所が増える、また病院としても医師としても長く同じ所で勤めると経営条件・労働条件的にはよくなると思いますので、この傾向はこれから10年位は続くように思います。

②は今でこそ自称「一匹狼」他称「浮浪者」とも呼ばれますが、確実に現代医療を支える重要なポストになるとおもいます。

通常はここで、じゃあ①で〇〇科に②で〇〇病院にという流れでほぼ話が終わると思いますが

個人的には③④という道もこれからはアリになっていくだろうなと思います。

そう言えば今回参議院で当選された医師会推薦の羽生田俊氏の「医師の不足をなくす」という主張に反するように聞こえますが

そういうわけでもありません。

日本のこれからの医療費は高齢化に伴い爆発的に増大していく(平成23年度の医療費38兆円中50%は70歳以上による、また毎年1兆円ずつ増加)のは明らかで

更に介護費も急速に増大(毎年5000億円ずつ増大)、

消費税の増税分5%(10兆円分)を社会保障に回すとは言っていますが、

自公の長期政権が決定的で、予算の多くを大量の公共事業に使うと言っているので、それで、景気が良くなり、税収が増えればいいですが先行きはかなり不透明です。

というより、今のままでは各病院は潰れていく(自治体が赤字を補填できなくなる)のが世の流れで

各病院の経営努力、及び、医療のIT化や訪問看護なども含めた新しい形の医療提供体勢などを手探りで作っていくのだと思いますし

そのときには③④が戦略的に組み立てることになることになると思います。

むしろ、それが出来なければ

病院を潰して、医療圏の患者さんを放っておくか、あるいは

ますます、医師や医療者個人の善意の努力(過酷・不当労働)を押し付けるようになったりするんじゃないかと思います。

ふと、どこかで喋った外科医の女医さんが

「女性はね、外科医を捨てるか、女を捨てるか選ばなければいけないのよ」

と寂しそうな目をして言っていたのを覚えています。

「俺がなんとかしますよ、さあ涙を拭いて(キリッ)」

とはいえず

「ドンマイケル」とかやるのが精一杯ではありましたが

そういう、懸命に頑張ってる人のパフォーマンスを向上させる裏方の仕事も自分の性に合ってる気もするので③④の道も捨て難いかなと思う今日このごろでした。(ちなみに普通に女性と外科医を両立させてる方もいらっしゃいますよ)

それでは、また。

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